平手 出かけるときは忘れずに
数日後ぴっぴと2人で登校中
菜緒の姿が見えその両脇には
友達らしき人たちも居た
「菜緒」
3人が振り返り1人はゲッ!とした
顔をしてもう1人は表情を崩さず
そして菜緒は笑顔を向けてくれた
「あ、友梨奈とモナちゃんおはよう」
「おはよう」
「おはよう!小坂ちゃん!
と…フレンズ⁇」
「渡邉美穂ちゃんと東村芽依ちゃん」
「ちょっと!菜緒!何で勝手に
教えるの!」
「美穂ちゃん,私達のこと随分
嫌ってるようだね…」
「……別に,というか気軽に
呼ばないでよ志田さん」
ぴっぴと美穂とやらが話してるうちに
「菜緒,これ」
キーホルダーを出すと菜緒は
キラキラした瞳でそれを手に取り
「え!見つかったの!?
私すごく探したけど
見つからなかったのに」
「あー、校内を一通り
探してそしたら中庭の池に落ちてた」
「え…ってことは中に入ったの?」
「まぁ,うん」
「え!ごめんね!
濡れちゃったよね?」
「いや、ジャージ着てたし別に」
「本当にありがとう!!!」
「それ、菜緒ちゃんの大事なもの?」
「芽依ちゃん…うん!凄く!」
「そっか…ちゃんと平手さんに
お礼しなきゃね」
「もちろん!友梨奈!!今度
ちゃんとお礼するね!」
「いや…ぴっぴも探してくれたし
別にお礼はいい」
「じゃあさ、お礼は私らと
遊ぶってことでよくない⁇」
「は?何言ってんだぴっぴ」
「え、そんなんでいいなら全然」
「菜緒!ダメだよ!」
「美穂ちゃんもさ、小坂ちゃんが心配なら
一緒に遊ぶ?」
「嫌です!」
そんな否定しなくても〜と
ぴっぴは嘆いていたがその隙に
菜緒は美穂に引っ張られて
先に学校へと消えていった。
学校に着くといつもより騒がしく
何事かと思っていたら
掲示板に集まっている生徒達が目に入り
近付くと驚きの内容が書かれた紙が
無数に貼ってあった。
[風紀委員長
齋藤飛鳥の裏の顔!
実は!!幼馴染である平手友梨奈の
姉を殺した人殺しの妹⁈⁈⁈]
「な、んだよ,これ…」
「てち…これ…」
私達の存在に気付いた
集っていた生徒から同情の眼差しを
向けられた
「なにこれ……⁇」
一斉に声のした方を見ると
飛鳥と未央奈が立っていて
掲示板に貼られている紙を見て
呆然と立ち尽くしていた
そんな飛鳥を他の奴らは軽蔑した
眼差しを向けながらヒソヒソしだした。
「ふざけんなよ!!!」
「てち!」
掲示板だけじゃなくその横の壁にも
貼られている無数の紙を剥がす
すぐにぴっぴや未央奈もそれを手伝う.
そして、菜緒も加わった。
「菜緒…」
「…何があったのかは分からないけど
こんなことするのは間違ってるから」
「ッ…サンキュー」
黙々と4人で剥がして
まだその場に残っている奴らに向かって
「誰がこんな事したのか知らねーけど、
お前らはこんな紙切れ一枚で齋藤飛鳥を
軽蔑し侮辱するのか?」
「…………」
「例えこれが真実だとしても
虚実だとしても,どちらにせよ飛鳥のことを
悪く言う奴らは私が許さない。
文句があるやつは私が全部聞いてやる」
そこに集まっていた生徒達は散り散りと
去っていき私達だけとなった。
「友梨奈…」
「……飛鳥のためにやった訳じゃない
こういうのが嫌いなだけだ,
飛鳥も一々こんなのに惑わされるな」
「…ありがとう」
「飛鳥さん」
「…えっと、君は」
「あ、渡邉美穂って言います。
私は何があっても飛鳥さんの
味方ですから!」
「ありがとう…でも、暫くは
私の話題は出さない方がいいよ、
もしかしたら君達にまで悪い印象が
着いちゃうかもしれないから」
「チッ、何が悪い印象持たれるだ…
かっこつけてんじゃねーよ、
悪い印象持たれるのは
私らだけで充分だ、飛鳥はそのまま
みんなの憧れの的でいておけよ,
堂々としとけばいいんだ」
「てちの言う通り!あしゅは
堂々としときな!」
「…2人とも…ありがとう」
そっと未央奈の耳元に口を寄せて
「もしもの時飛鳥のこと頼んだぞ?」
「任せて!」
と頼もしい笑顔で答えたのを聞き
私も教室へとその場を離れる。
一体誰が……こんなこと…。
隣で歩くぴっぴを見ると多分同じことを
考えていた。
平手を理解するための6冊
日曜は道場の方に行ってきました
土曜はパパの用事が諸々あって教室に参加できなかったです
結果は5勝3敗。
自分より上の棋力に勝てないとなかなか昇級は厳しいので、もっと強くならないとですね
そしてパパはまたまめくんの弱い所を見つけたので、帰ってから試しに3局行いました。
まめくん × – ◯ パパ
まめくん × – ◯ パパ
まめくん × – ◯ パパ
やはりパパの三連勝になってしまったので、弱点克服のため改善していければ良いなと思います
頑張るぞ、まめくん
そしてたまにはパパの内容で、次の日曜は職団戦という企業同士が対戦する将棋大会があるため、パパは強くなるため奨励会員の方に平手でお願いしました
むちゃくちゃ強いのですが、角換わりの気になった箇所など教えてもらって非常に充実した指導対局の内容でした。
時間もいっぱい考えさせてもらったり色んなパターンの指し方など教えてもらってもう嬉しい限りです
ありがとうございました!
道場の方も有段者相手には平手でお願いしたので、今回はまめくんにも負けずパパも頑張りました(笑)
月曜はまめくんの入学式🌸
小学生になり、どんどん成長していくのが楽しみです
頑張れ、まめくん
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fenceさんからのリクエストで、てちぽんのお話です!
朝、いつも通り目を覚ます…はずだった…
「頭痛い……」
頭痛がして、体が重たくてだるい…。
「今日って…。」
スタッフさんにもらったスケジュールのプリントを見ると、てちと雑誌の撮影とインタビューのお仕事が入っている。
休むとてちにもスタッフさんにも迷惑をかけてしまう。
「何でこんな日に……」
とりあえず私は頭痛薬を飲み、お仕事に向かった
「小林由依です。」
「平手友梨奈です。」
「「よろしくお願いします。」」
雑誌の撮影、インタビューに携わっているスタッフの方々に挨拶をし、撮影が始まった。
「こば。」
「ん?何?」
「顔色悪くない?大丈夫?」
次の撮影場所に移動中、てちが話しかけてきた。
「大丈夫だよ?気のせいじゃない?」
「そう?…ならいいけど…」
てちの言葉に焦りが顔に出てしまいそうになったけど、何とか真顔ですり抜ける事が出来た。
「ではお昼休憩とりまーす!」
長かった撮影が終わり、ここまで順調にこなせている。
でも、体のだるさは増し、頭痛もだんだんひどくなってきた。
「こば、お弁当。」
楽屋に戻るとてちがお弁当を渡してくれた。
お弁当を渡してくれたのは有難いけど、食欲がなく蓋を開けずに横に置いた。
蓋を開け、既に少し食べているてちがきょとんとしてこっちを見ている。
「食べないの?」
「んー…お腹空いてないからいいや。」
しばらくボーっとしていると、食べ終わったてちが傍にやって来た。
傍と言っても私の後ろ。
「ちょーっと失礼しまーす。」
何をするのかと思ったら、てちが額をピタッと触ってきた。
「ちょっ!」
自分の声が思っていたよりも大きく出て、頭に響く。
思わず顔をしかめた。
「熱あるじゃん!頭も痛いんでしょ?」
「大丈夫…」
「大丈夫じゃない。インタビュー、後日にしてもらお?」
「だめ…」
「それはこっちのセリフ。スタッフさんに伝えてくるから待っててね。」
楽屋を出てスタッフさんの所に向かおうとするてちを今ある力で引き止めた。
このままじゃ、みんなに迷惑かけちゃう。
「てち…お願いだから…」
「今日はそのお願いは悪いけど聞けない。」
てちは私の腕を解き、スタッフさんの所に行ってしまった。
「て…ち……」
「ん……あれ…」
目を覚ますと自分の部屋で、ベッドに寝ていた。
ここまでどうやってやって来たのか記憶がない。
「こば、大丈夫?」
「てち?」
「こば、私が楽屋に戻った時倒れてたんだよ?覚えてない?」
「うそ…覚えてない…」
「帰ってきて熱計ったら38.7℃もあったんだよ?びっくりしたんだから…。」
「ごめん…あ、てち。」
「ん?」
「インタビュー…」
あれからお仕事がどうなったのか心配だった。
迷惑をかけてしまったから。
「仕事の心配じゃなくて、自分の心配しなよ…後日、またインタビューとるって。」
「そ…っか…ごめん…」
「謝ってばっか。迷惑かけちゃうって思ったんでしょ?だからって限界まで無理しないでよ……まぁ、私も人の事言えた義理じゃないけどね?」
「うん…ぐすん」
泣きたい訳じゃないのに、何故か目から涙が零れてくる。
止まって欲しいのになかなか止まらない。
「泣かないでよー笑」
「何か…ぐすっ……わかんないぃ…」
てちに泣き顔を見られたくなくて手で顔を覆っていると布団がガサゴソと動いた。
「えっ…てち…!」
顔を覆っていた手を離すと、てちが布団に入ってきた。
「こうすれば涙止まる?」
てちは私に近づいてギュッと抱きしめてくれた。
シングルベッドに2人で寝いてる状態で狭い。
でも不思議と嫌じゃなかった。
安心する。
「……うん、なんか安心する…。」
「良かった…」
てちのおかげで涙も止まり落ち着いて来たと思ったら、だんだんと眠たくなってきた。
「……てち…」
「おやすみ……こば。」
てちの言葉を最後に私は目を閉じた。
私より2つ歳下の17歳のてち。
いつもは妹感しかないのに、今日のてち
はなんだかお姉ちゃんに見えた。
はなんだかお姉ちゃんに見えた。