この中に負け方が隠れています
③リカードの比較優位というタワゴト
自由貿易を推進する理論にリカードの比較優位説(比較生産費説)と呼ばれる理論があります。これは、生産において、各々の国が比較優位な産業に特化することで、全体としては最も効率的な労働配分が行われ、各々の国もまた最も大きな富や利益を得ることが出来るという理論です。
リカードはハイエクと並ぶ古典派経済学の中心的な人物であり、比較優位説は自由貿易主義の主軸となる理論です。
比較優位説は多くの欠点を指摘されていますが、にも関わらず、自由貿易主義者は政治家の無知に付け込んで、いまだにこういう理論を振り回しています。つまり、政治家が無知であるからこそ、こういうインチキ理論でも自由貿易主義者にとって強力な武器になるのです。こういうシロートを騙す魔術めいたところが経済学のやっかいなところです。
リカードの「比較優位」は、アダム・スミスの「絶対優位」の概念に対する対語です。絶対優位は、資本力や技術力を基にした生産力の強い企業主体が、生産力の弱い企業主体を駆逐するという理論です。つまり、普通の企業間競争の理論です。
絶対優位説は企業競争がもたらす弊害、つまり、独占資本主義の率直な表現であり、企業競争によって独占が進むことを正直に白状したものです。もちろん、独占を社会的分業の一形態であると言う者がいますが、そう言ったところで、独占の弊害(独占価格など)にとって何の解決にもなりません。独占は寡占(少数による市場支配)を含み、カルテル(価格の協定)、トラスト(企業合併)、コンツェルン(一つの資本による支配)の形態を持ちます。この独占の問題は、国内においては、自国の企業および雇用をはじめとする経済全体を破壊し、貿易においては、他国の企業および雇用をはじめとする経済全体を破壊します。
かつての世界にはある程度の道徳というものがあって、独占資本による市場の支配は、国内においても、国際社会においても、非難の対象となっていました。
アダム・スミスの「絶対優位」説ではこの独占資本を擁護することが出来ませんが、リカードの比較優位説では独占資本を擁護することが出来ます。独占資本による市場独占を社会的分業または国際的分業と言い張り、独占資本を擁護する理論がリカードの比較優位説です。
比較優位の概念は、リカード自身がイギリスとポルトガルの貿易の場合における毛織物とワインの貿易を例にして説明しています。
イギリスの労働者が1時間働いて、毛織物なら36単位、ワインなら30単位、ポルトガルの労働者が1時間働いて、毛織物なら40単位、ワインなら45単位生産するとすれば、(イギリスワイン30単位/イギリス毛織物36単位)<(ポルトガルワイン45単位/ポルトガル毛織物40単位)ですが、この関係を、ワインに関してポルトガルがイギリスに対して比較優位であると言い、毛織物に関してイギリスがポルトガルに対して比較優位であると言います。
勝っている方にとって勝ち方が大きなもの、および、負けている方にとって負け方が小さなものが比較優位な商品です。
絶対優位の判断では、ワインと毛織物のいずれでも、ポルトガルがイギリスに対して絶対優位であり、イギリスの産業は潰れてしまいますが、比較優位の判断では、それぞれが相手側に対して比較優位な産業に特化することで、双方が生き残ることが出来るし、双方が最も大きな富や利益を得ることが出来るということになります。だから、国際競争のある部門で他国がさんざん痛めつけられて、その部門の産業が壊滅しようとも、他の部門で頑張ればよいので、気にしなくて良いということになります。
比較優位説では、毛織物、ワインがポルトガルにやられてしまおうとも、イギリスにはまだ頑張れる部門があるはずだと、それでもなお自由競争を続けさせるために、敗者を元気付けているのです。
リカードの比較優位説は、完全雇用状態を前提としています。(もっとも、新古典派経済学では常に完全雇用が達成されていることになっていますから、不完全雇用状態なら比較優位説は成り立たないのではないかという疑問は受け付けられません。)
完全雇用状態であれば、ポルトガルがワインに特化した場合、ワインに従事する労働者だけで完全雇用状態となり、毛織物には見向きもしないので、その反対側で、イギリスは毛織物の生産を行うことが出来るというものですが、しかし、世の中はそんなにうまく行きません。これらの理論は自由競争が前提ですから、ポルトガルが不完全雇用状態になった時には毛織物にも手を出し、イギリスの産業は全滅してしまいます。
しかし、比較優位論では、自由貿易では比較優位的「分業」を起こすとも言っていませんし、起こるだろうとも言っていません。「分業」に関しては責任を負っていないのです。自由貿易の結果、独占状態が起こっても、「分業」が起こるだろうから、気にしなくても良いと言っているにすぎません。経済学者も比較優位説を説明するときに、独占は起こらないだろうと、無責任な感想を付け加えるだけです。
自由貿易では、EUの中で勝った国と負けた国が出ていることからも、国と国が産業を交換して、互いに利益を得るという簡単なことではないことが判ります。比較優位的「分業」など起こるわけがないのです。
これは、アメリカが自由競争の体制を守ろうとして、デトロイトを犠牲にした結果と良く似ています。そして、日本が農業や社会保障を犠牲にして、自動車や工作機械を外国に売り込もうとしているTPPと良く似ています。
要するに、比較優位論の趣旨は、関税や非関税障壁を撤廃し、自由貿易を行えば、自然な競争が起こり、勝つ企業と負ける企業が生まれるが、それはあくまで効率を求める国際的な「分業」にすぎないので、自由競争を認めるべきだと言いたいだけなのです。TPPはこのようなリカードの比較優位説というインチキ理論を実行しようとするものです。
事実、先進各国は農産物に関税を課し、農業に補助金を与えていますが、TPPはこうした関税や非関税障壁を取り除き、負けを受け入れるよう主張しています。
TPPにおける農産物の関税や補助金の撤廃は、比較劣位の農業を捨て去り、比較優位の自動車に特化しようとする試みになります。TPPの最も熱心な推進者はトヨタ自動車です。
トヨタ自動車は日本国民の誇りとする企業であり、そのトヨタ自動車が日本国民の幸福を望まないはずがないと思っているでしょうが、トヨタ自動車が日本の企業であったことなど遠い過去の話です。今は、日本がどうなろうとも、つまり、日本国民がどうなろうとも、自分の会社さえ生き残れば良いと考えている多国籍企業であるにすぎません。
自由貿易を究極まで推進し、互いの国で貿易に強い企業だけが残り、貿易に弱い産業が廃れて行けば、リカードの比較優位の世界観に近づき、独占的な資本主義となり、商品価格も労働者の賃金も独占企業の株主の思いのままとなり、消費者および労働者に対する搾取が強化されることになります。
今は、まだ、他国に競争相手がいるから目立ちませんが、独占状態になってしまうと何が起こるか判らないと言われています。おそらく、どこの国民も、国際的な独占資本によって支配され、貧乏な、みすぼらしい存在になるだけでしよう。国民が尊厳を保つためには、自由貿易を制限し、断固として保護貿易主義を貫かなければならないのです。
リカードの比較優位説の恐ろしさはさらにもう一つあります。それは、安全保障に関わる問題です。
国際的投資家または多国籍企業が国の利益を代表するようになり、政府の政策も国際的投資家と多国籍企業の利益を優先するようになります。今、ちょうど、これと重なることが起こっています。中国に進出した企業が、中国に人質に取られているような状況となり、日本政府は中国にものが言いにくくなっています。
しかし、中国に進出した日本企業を守ろうと考える必要はありません。これらの日本企業は、すでに、日本国内の産業そして社会についてどうでも良いと思っている多国籍企業になっているからです。
彼らが発言力を持っているのは、日本国内に彼らの言うことを聞く自民党やマスコミなどの売国奴がいるからです。自民党は、さらに、中国に進出する企業に補助金や助成金を出している始末です。
中国は、領土問題、領海問題、海洋資源問題を起こすだけでなく、日本国内の資産や産業、日本への移民にも手を出しています。多国籍企業や、その株主である国際的投資家が国の利益を代表するようになれば、彼らは国家や国民のことはどうでも良いと考えていますから、自分の利益のために領土も領海も中国に差出し、日本国内の資産や産業や雇用を売り渡します。
竹中平蔵はこう言うでしょう。日本は他国に対して優位な輸出産業を守り、農業などは他国に任せれば、世界が最も経済発展し、国際的にも地域解格差が無い理想的な世界に生まれ変わることが出来ると。
しかし、売国度でもない限り、同胞意識を共有していない他国(例えば中国や韓国)をそれほどまでに信じることは出来ません。農業を他国に任せて、欠陥の有る食料しか入らなくなった時に、あるいは、侵略が始まり生命の危機が迫った時に、日本国民は死ぬほど後悔することになるでしょう。
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