燭台切用品のことならお任せください

「刀 燭台切光忠」写し制作 刀匠 宮入法廣氏 ミュージアムトーク、13時からの会に参加してきました。

貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。
一生懸命メモをとったので、まとめてみます。

あらかじめ…
私はにわか日本刀好きのただのミーハー審神者です。
用語・漢字など間違っているかもしれません。
もしも明らかに間違ったことを書いてしまっていたら、こっそり教えて頂けるとありがたいです。
なお、お話の順番は一部変えている部分がありますのでご了承ください。

○燭台切光忠写し、現在の進捗状況
折り重ね鍛錬。
10月末までに3本ほど形にして、11月から焼き入れに入る予定。12月までに研ぎにだして、2月がちょうど財団の50周年なので、それに間に合うか

○再刃と復元模造
焼身となった刀をよみがえらせるには、ふたとおりある。
再刃するか、復元模造するか。
燭台切は復元模造。同じ技法により、当初の状態を再現する。

燭台切の再刃は可能だが、刃文の再現は不可能。
再刃すると、瑞々しいものになってしまうので、古いものの再現は困難。
（真っ黒な燭台切も、再刃された雲次（展示中）くらいに“キレイにする”ことはできる）
燭台切を再刃するのではなく、保存し、写しを作ると決めた判断は正しいと思う。

現存する光忠や、 武庫刀纂の押形をもとに、
擬人化された燭台切のイメージも崩さぬよう、カッコよく復元したい。

○光忠の姿
現存する光忠は、
豪壮な大摺上げ無銘（ますらお振り）と、
優しくおとなしい在銘（たおやめ振り）
のものがあり、燭台切は後者。

○燭台切の伝来について。
信長→秀吉→伊達→水戸徳川とされているが、信長→秀吉を裏付ける資料はない。

信長の差料とするために摺上げられた二振がある。
宗三左文字と、 籠手切正宗。
もし、信長が差料にするために摺上げたなら、資料があるはず。

籠手切は、二尺二寸六分に摺上げられた。
信長は、好んでこの長さのものを使っていたと考えられるため、燭台切も可能性はある。

※↓あとでググった
宗三左文字は、二尺二寸一分。
燭台切光忠は、二尺二寸三分。

○現在の燭台切光忠
武庫刀纂では反りは五分とされているが、現在は四分。
（ここらへんのお話、私にはちょっと難しかったのでとばします。すまない、文系なんだ…）

燭台切は、還元の雰囲気で、比較的低温で焼けたと考えられる。
児手柏は、酸化・高温で焼けた。
（低温と言っても、バックドラフトで焼かれて金のハバキが溶けてるくらいだから、1000度は瞬間的にはでてる）

炎の外側が酸化、芯に近いところが還元。
空気を遮断して焼くと還元の雰囲気になる。

↓燭台切

↓児手柏

茎（なかご）には、金のハバキが溶けて付着している。
燭台切には、金無垢のハバキが付けられていたと考えられる。
金無垢は、最高位の刀にしか付けない。
樋の中に、溶けた金が多く溜まっている。

茎の表裏で、変則的な樋の流し。
展示されている面が「かきとおし」
その裏側が「かきながし」
（押形の写真参照）

これは国宝 日光助真（にっこうすけざね） も同じ。
日光助真は、かきながしの下に銘が彫られている。
燭台切にも、かきながしの下に銘があるのでは？とよく見てみたら、光の字が見えた。
忠は確認できなかったが、「よく見たらあるような気がする」

※この押形は今回の写し製作で改めて詳細に調べて作ったもので、ミュージアムの光忠の横に展示されています。

（※ここから全然知識が追いつかず、よくわからないままメモしてます）

なぜ樋の流しが変則的なのかと言うと、摺上げの後に樋が彫られたから。
摺上げで削った側の鎬（しのぎ）が異常に高くて、不均衡。
（押形画像の“茎断面”を参照）
通常は左右対称でないといけないが、なぜ高く残したのか。
鎬の厚みをなるべく削らないように、棟の方だけ削って摺上げた？
そのため、不均衡さを隠すために樋をかきとおしたのではないか。

（※ここまで。もうちょっと調べて整理したい）

（※ここから数字に弱すぎてよく理解できないままメモしてます）

燭台切の、銘の位置から元の長さを推定する。
光忠は、マチから一寸五分に銘を切る。
三寸五分摺上げていると考えられるため、元は二尺五寸五分あったのではないか。

（※ここまで以下略）

○武庫刀纂に見る刃文、映りの話
映りを出すことによって、武器としての性能を高める。
粘り強さをもたせ、切れ味を良くする。
映りが芯鉄の代用をしていた。
映りの出し方は、秘伝なので教えられない。
燭台切写しでも、絶対出すから期待して欲しい。

このあと、当代御当主・理事長にご挨拶いただきました。

皆さんの寄付のおかげで、被災刀桐箪笥も作れたし、燭台切の写しも作れる。
以前は、被災刀はきれいに包んで箱に入れて、重ねて置いてあった。
もちろん捨てようとかは思ってなかったけど、きれいに残っているのは、誰も開けなかったし誰も展示しようと思わなかったから。

実は、展示替えをしていて気付いたが、白錆が出ている刀がある。
黒こげの刀とか錆の浮いた刀を見れるのは、珍しいと思う（笑）

（白錆が出てる刀を後で教えてもらったら、よりによってコレですかｗってのでちょっとフフってなった）

↓寄附金で作られた被災刀用桐箪笥。
製作された指物師さんから、これだけの物を作る機会はなかなか無い事なので、若いお弟子さんにとってもいい経験をさせていただいた。とお礼の言葉を頂戴したそうです。

被災刀のキャプションより抜粋。

「被災刀は鑑賞刀剣としての価値は失ったが、名刀が伝えるその歴史に変わりはない。
徳川家は灰燼の中から168振の刀剣集め、今日までを保存してきた」

最後に、宮入�
�生と一緒に企画展に移動。
締めのお話と、質問タイム。

他の審神者さんがされた質問（うろ覚え）
Ｑ.擬人化された燭台切のイメージをと仰っていたが、黒ずくめの長身でたおやかという感じではないのでは？
A.そんなことはない、凛とした方に見える（笑）

↑このやりとりよく聞こえなかったので、詳しく覚えてる方ぜひ転載させてください

上記のやりとりについて、質問をされた（@agri_chondrite）より詳細を教えて頂きました。ありがとうございます。
転載のご許可を頂きましたので、画像を掲載致します。

私は、講演で「たおやめぶり」と聞いたときに、燭台切の立ち絵のみを単体で見ると、確かに優しい印象を受けるかもしれない、と考えました。
（顔立ちとか、案外優しい系ですよね）

なので、「凛とした印象」と聞こえたときに、なるほど！と思ったのです。

刀剣乱舞で擬人化された燭台切のイメージを崩さぬように、と仰って頂けるのは、原作ゲームファンとしては嬉しいです。

最後に、企画展の感想を少しだけ。

脇差 銘 國宗
光圀公所用。青緑の錆（なのかな？）が一番綺麗に、美しく出ていて、どこか宝剣っぽいなって思った。
それか、効果「毒」
スマホカメラじゃきれいに写せなかったので、ぜひ生で見て欲しい。

（7月18日追記）
※青緑の物は、銅が溶けて付着したものだそうです。
……銅？ハバキに使われていたものとかでしょうか？？
この件、おわかりになる方がいらっしゃいましたら、是非教えて頂きたいです。

児手柏。
本当に真っ黒でマットな感じの燭台切に比べると、所々に緑が見えたり、表面も毛羽立ってたりで被災感が強い。
ガツガツやったら表面パラパラハゲそう。
より高温で燃えて酸化したから、ってことか。な？

「まだ、展示ガイドはやっていますか？」

というお客様のご質問をいただくことが多いのですが・・・

現在も引き続き、ゲーム刀剣乱舞・燭台切光忠役の声優　佐藤拓也さんがナビゲートする音声展示ガイドをお聞きいただけます

当館の展示ガイドは、

スマートフォンアプリ「ポケット学芸員」による

展示ガイドとなっております

そのため、お客様に以下の点をご協力いただいております。

ご自身のスマートフォンへ　アプリ「ポケット学芸員」のダウンロード

イヤホンのご持参

上記2点で、お客様に快適に、じっくりと

展示ガイドをお楽しみいただくことができます

詳しいご使用方法は当館の展示室への通路入り口に設置しております

また、スタッフもご案内致しますのでお気軽にお声掛けください

hiromi