ロビーはグローバリズムを超える！？

ホテルのロビーで、まるでジョギング中であるかのような姿のKは目立っていました。

背が高くてスタイルが良いので余計にねぇ

Ｋは美人です。スポーツをしていてやや筋肉質ですが、ショートヘアがよく似合ってます。一言で表現するなら健康的ヤンキー美女。

美人だけど夫の好みのルックスではない。

夫がＫをゴツいと言っていた理由は、実物の彼女を一目見てわかった

長身も筋肉質も貧乳もヤンキー臭も、彼は苦手なのである

そもそもサレ妻にとって、浮気相手が若い美人だとか、ババアのデブスであるとかは、あまり意味のないことかもしれない。

蓼食う虫も蓼 …いや 好き好き と言うし。

夫の場合、好みじゃなくたって 浮気するのには全く差し支えないわけだから。

Kが目立ってたのは金曜日の夕方というタイミングのせいでしょう。私も旅先でジョギングする宿泊客をよくみますが、それはほとんどが朝だし。

でもまぁ 遅刻したとはいえ、急な呼び出しでも ちゃんとやってきたので、とりあえずヨシとしよう。

私は立ち上がってKに近づき声をかけた。

「はじめまして 〇〇の妻です」

しかし、

私はKの顔をよーーーく知っているが、

あちらは全く初めて見る私の姿。

10秒程固まって私を見ていたKは

浮気相手の妻があまりにババアだったから驚いたのだろうか？ハハハ

その後ハッとして「すみません！」と頭を下げた。

そこで、私は周囲がちょっと気になりだした。

なぜかというと、我が家は月に2回はこのホテルのレストランで食事をしており、ホテル外でスタッフに偶然出会うと挨拶されることもあるくらい、私は面が割れているから。

そんなことを気にするなら、他のホテルにすればいいと言われそうだが、いろいろ事情がありまして。

「部屋でお話ししましょう」

私はKの返事も待たずに、エレベーターへ向かって歩き出した。

最初は見栄を張って普通に歩こうとしたが、部屋に着く頃には足を引きずっていた。

Kはそれに気づいて、何か言いたそうにしてた。

私は普通のツインを予約していたが、チェックイン時にアップグレードされて、高層階の広い部屋になっていた。

ゆったりと広い部屋の奥にはビジネスデスクとソファ🛋セットがあり、私はKに座るよう勧めた後、デスクの上の電話でルームサービスを頼んだ。

私はKの正面に座って、

「来てくれてありがとう」と言った。

彼女は

「遅くなってすみません。私、ここに来たことなくて、どこに駐車していいかわからなくて…」とまた頭を下げた。

Kは子供を親に預けて、いつものスポーツ活動に行くふりをして出てきたらしい。それでこんな格好だったようだ。

自分自身が冷静でいるため、そして彼女に真実を話してもらうために、私は穏やかに振る舞った。

私はまず最初に二人の不貞行為の有無を確認した。勿論、スマホは録音スタート済み

彼女は不貞をあっさりと認めたが、夫と同様、時期などをはっきりと覚えていないようだった。

Kにとって、消したい過去だったのかもしれない（最後はフラれたわけだし）

そこで私は夫に聞いた事実を一つずつ彼女に尋ねていくことにした。

いくつかの質問を終えた頃、ルームサービスが運ばれて来た。

Kの為のコーヒーと、私にはブルゴーニュの赤のボトルとグラス🍷におつまみのチーズ🧀とドライフルーツがテーブルに置かれた。

運悪く、持ってきたのは以前レストランにいた女のコだ（ホテルは部署移動があるので仕方ない）が、私がテイスティングを断ると、察した様に黙ってすぐに部屋を出て行ってくれた。

「私だけで悪いけど、飲ませてもらうわね。酔わないとやってられないから(ﾟ∀ﾟ) 」

そう言って私がグイグイ飲みだすと、

「あの……脚を痛めてるんですか？」

とＫが聞いてきた。

マ：脚だけじゃなく、どこもかしこも痛いわよ。

       薬の副作用もあるし。

Ｋ：薬？

マ：私は癌なの。ステージ4でね。

       ステージ4って わかる？ 

Ｋはビックリした様で、コクコクと頷く。

マ：肺とね、骨に転移があるの。

       腰の転移が大きくてね。

       それもあって特に股関節が痛いの。

Ｋ：そうなんですか

マ：あなた達が別れた後、

     少しして癌が見つかったの。

       で、手遅れだったってわけよ。

Ｋ：…（ﾟдﾟlll）

マ：他所の女を構ってて、嫁の

      病気に気付かないなんて、

      ご大層なエセ愛妻家よね？

      🍷\( ´∀｀●) アハハハハハ

                  ↑

              空腹と緊張のせいで既に酔いが回っている

夫は健気な愛妻家として職場で有名なのである

さぞかし私は鬼嫁ということになっているんだろう（あやつはすぐにイイ子ぶるのだ）

夫の職場でどう思われようが、別にどーでもいい…が、

「夫さん 可哀想（ ; ; ）私なら優しくするのに❤️」

とか 勘違い女が湧いても困るワ🤔

Ｋ：(/ _ ; ) メソメソ

       本当に…すみません

癌の話をするとＫは泣き出してしまった。

私はゲラゲラ笑っていたのですがね。

コラ、泣きたいのは

コッチなんだぞーーッ‼️

     ↑

    マドレーヌの心の声

ハァーε-(-｡-;